魔の3月3日

筑波サーキット

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2007年に入りまだ一度もサーキット走行をしていなかったので、3月3日(土)にスポーツ走行の予約を入れていた。
A1 8:00〜8:30
A2 9:00〜9:30
の二本しか取れなかったので、初走行とスリッパークラッチのシェイクダウンには丁度良いと思っていた。
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ハンドル周りはJackさんに譲っていただいた「XB9S用PLAIN製ハンドル周りセット」
メーターも遠くなり、ハンドル位置も下がり、何よりフレームマウントのゼッケンカウルにより、かなりハンドル操作は軽くなった。ポジションも完璧。
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1本目の走行が始まる。
3ヶ月ぶりにサーキットは太陽こそ出ていなかったが、風も無く、この季節の走行としては完璧なコンディションに思えた。
15秒台の走行をしながらスリッパークラッチを確かめる。
「ブウォーーーーーーン ウォン ウォン」
シフトダウン時にさくっとクラッチを繋いでも、何事も無かったようにスムーズに繋がる。
「これは美味しい」
本気になると、減速時にリアタイヤをロックさせてしまうことがしばしばある私のようなライダーには夢のような装置である。
1コーナー、1ヘヤ、2ヘヤと突っ込みの鋭さを求められるセクションでは効果覿面である。
明らかに過去の自分よりも突っ込み、そしてコーナーリングスピードが上がっていることを実感する。
そして最終コーナー。
私のセッティングは20/47とノーマルの最終減速比に対してちょっとだけロングにしている。
そのためにmazyoraレベルの乗り方では、

@1ヘヤを2速で立ち上がり、3速に入れずにCXコーナーへ進入できる

ACXを2速で立ち上がり、3速に入れ、2ヘヤ手前で2速に落とす。4速には入れなくて良い。

Bバックストレッチでは4速吹けきりのチョイ手前=100m看板ということで、5速ギアを使わずに最終コーナーへ進入できる

つまり筑波サーキットで使うギアは2・3・4速だけである。
当然シフトチェンジも少なくて済むので、他のことに集中できるというメリットを感じている。


ところが、今回スリッパークラッチを入れるとこれまでよりも突込みが鋭くなり、それによりコーナーリングスピードがあがり、立ち上がりも速くなったことを実感した。それはタイムに現れていた。
1本目BEST LAP 8秒1
自己ベストに0.3ほど足りないが、久しぶりの走行ということでは合格点であろう。
いっそのこと7秒台を狙え〜。
と気合を入れたところ、2ヘヤで前を走る遅めのライダーのINを刺そうとしたところ、当然といえば当然だが、ちょっと届かなかった為にかぶせられてしまった。
「ヤバッ!」
慌ててフルブレーキをくれてやると、後輪がロックしてマシンが大きく波打った。
「ヤバッ!」
何とか追突は免れたが、制御を失ったXBはグラベルへと向かった。
ここはオフロード経験もあるmazyoraの冷静な操作で転倒は免れ、何とかコース復帰を果たすことが出来た。(オフロードやってて良かった〜)
時間は終了3分前だったので、そのままPITロードに入り、1本目の走行を終えた。

ここでチームメカニックに電話報告。
こんな久しぶりで、最終コーナーなどはまだまだ攻めきってない状態で8秒1ということは、自己ベスト更新も狙えるかもしれない。
スリッパークラッチがあれば、難しいことではない。豊田師匠は以前スリッパークラッチを付ければ2秒は縮みますよと言っていたのを思い出した。
「7秒7マイナス2秒=5秒7」
これは一丁死んだ気で走るかな?
などとほざいていると、チームメカニックは電話の先で冷静に言った。
今のタイヤは決して良い状態とは言えない。無理できる状態ではない。もう結構減っている。それと3月3日といえば、昨年の腰痛番長の悲劇が起こった日でもある。
あくまでも、スリッパークラッチに慣れることに専念してした方がいいよ!
確かにその通りだ。昨年腰痛番長がやったのも2ヘヤだったことを考えると、今回のグラベル走行を神の忠告と受け止める必要がある。
ふと気付くと、今回から変わったハンドル回りやハイスロのことなど、まるで頭に無かった。
これらの改善箇所の把握に努めよう!

そう心に決めてすぐに2本目の走行となった。

筑波サーキットでのAクラスでは8秒台で周回するmazyoraなどは速い部類に入る。
したがって、バックマーカーのような方々を多く抜き去っていかなければならない。
1本目では判断をミスってグラベってしまったが、今回は冷静に冷静に。
気持ちよく他のマシンをパスしながらバックストレートに進入していくとGSXRが元気良く抜いていった。
しかし最終コーナーでググーっ詰まり、メインストレートでまた離される。
このときにまたまたスイッチが入ってしまった。
「スリッパークラッチ=インフィールドは天下」
勝手にそんな方程式を完成させてGSXRに迫った。タイムもぐんぐんと伸び始める。

そしてついに、

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やっちまった〜。

思いがけず自己ベストを更新した。
よ〜し、この前のGSXRを抜いたときには6秒台だ〜。
これまで、古めのタイヤということで押さえ気味に走っていた最終コーナーさえノーブレーキで進入できれば、これは実現できる。
1ヘヤでGSXRの背後に付くものの直線でちょっと離されCXで追いつく。抜けるほどの差ではないが、何とか2ヘヤを上手く立ち上がりバックストレートでの差を少しでも抑えることができれば最終コーナーでチャンスはある。

そう思いながら2ヘヤに進入しようとしたとき、

時間が止まった。

グラベルに向かっている。
今回もオフロードテクニックで乗り切れるか?
いや、結構スピードが速い。
2ヘヤのグラベルはとても短く、到底止まれる長さは無い。
そうなるんだ〜。
ガシャーン(マシンの倒れる音)
ピューン(mazyoraが飛ばされる音)
ドテッ!(背中からグラベルに落ちる音)

やっちまった〜。

まずは冷静に指(OK)、足(OK)、身体(OK)
大丈夫だ。怪我は無い。

そうとなればすぐに飛び起きて、グラベっているマシンに歩み寄り、起こしてみる。
マシン左側がグラベルに埋もれている。
何とか起こしたい。
このとき感じた車重はRoadKingを超えていた。

あきらめて、グラベっているマシンを見捨ててクラッシュパッド裏に逃げ込むべく、よいしょと乗っかろうとしたが、パッドが高くて上れない。
コーナーポストではオフィシャルが黄旗を振りながら、「こっちへ来い」と合図を送っている。

指示に従いコーナーポストのところで観戦となった。

転倒という悲劇と自己ベスト更新という幸福とが交錯しながら他のライダーを見ていた。
結局身体に怪我が無かったのだから、今日は目出度い日ということにしよう。
そう心に決めた頃にチェッカーが降られて走行が終わったのでマシンに歩み寄ってレッカー車を待った。

レッカー車の荷台にはオレンジの服を着た人がカメラを持って、私とマシンを撮影している。
現場写真か何かを記録に残すのか?
するとそのカメラマンは豊田師匠だった。

バイクはともかく、身体が無事だったということでさわやかなレッカー車の旅を半周ほど楽しみ、PITに着いた。

すると待ち構えていた妻が「どうしたの?」という顔をしていた。
どうやら寝ていて何も知らないようだ。

 

そんなことで、魔の3月3日

でしたが嬉しい3月3日ともなりました。

STM スリッパークラッチ 最高!!